相続税申告を行うときの流れ
相続が発生すると、遺産の分配や税金の申告など、さまざまな手続きが必要となります。
中でも相続税の申告は期限が定められており、正確かつ円滑に進めるためには、流れを理解しておくことが大切です。
本記事では、相続税申告の基本的な流れを紹介します。
1. 財産調査
相続税申告の第一歩は、被相続人(亡くなった方)の財産を正確に把握することから始まります。
すべての財産を調査
調査対象となる財産は多岐にわたります。
不動産、預貯金、有価証券、自動車といったプラスの財産だけでなく、住宅ローンや借入金などのマイナスの財産も含まれます。
また、生命保険金や死亡退職金も相続財産として扱われるため確認が必要です。
資料収集と評価
各財産の評価には、市役所・法務局・金融機関などから発行される公的書類が必要です。
たとえば、不動産については登記簿謄本、預金口座については残高証明書などを取得して確認します。
2. 遺産分割協議
財産の全体像が把握できたら、次は誰がどの財産を相続するかを話し合います。
相続人の確定
まず、戸籍謄本などを用いて相続人を確定します。
法定相続人が誰であるかを明確にしたうえで、遺言書の有無を確認し、遺言があればその内容に従って分割が行われます。
協議書の作成
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、合意した内容を「遺産分割協議書」として書面にまとめます。
この協議書へ全員の署名と押印を行い、相続税申告書の提出時に添付します。
3. 相続税の申告と納付
分割の方針が固まったら、いよいよ相続税の申告手続きに移ります。
申告書の作成
相続税申告書は、原則として被相続人の死亡日の翌日から10か月以内に、税務署に提出します。
申告書には財産の内訳や評価額、分割状況、納付額などを記載し、必要書類を添付します。
税額の納付
相続税は、現金一括での納付が原則です。
ただし、財産の大半が不動産など現金化しにくい場合は、「延納」や「物納」といった制度を活用することも可能ですが、一定の条件や手続きが必要となるため、早めの準備が重要です。
まとめ
相続税申告は、「財産調査」「遺産分割協議」「申告・納付」というステップを順に進めることで、円滑に行うことができます。
申告期限に間に合うように、早めに行動し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
相続に関して不安や疑問がある方は、お気軽に当事務所までご相談ください。